薬剤師とバナナ~ 自衛隊員の朝ごはんの調達に挑む薬剤師 in USA
薬剤師になって13年。薬局のカウンターで何万回と電話をとってきましたが、やはり一番心に残っている電話はハイチの大地震直後の2010年の一本。
ある朝、
”Hi! 薬剤師です。"
と、電話に出ると、フロリダのある支店からの電話でした。
”日本語のできる薬剤師はいますか?”
”私ですが、どんなご用件でしょうか?”
聞いてみると、日本の自衛隊の方が薬局に来ていて、何が欲しいかわからないとのこと。
電話に出た自衛隊員の方によると、翌朝、ハイチの救援に派遣されるまでフロリダに待機するので、全員分の朝食となるバナナの調達に来たそうです。大変な人数だと勘違いした私は、フロリダのディストリクトオフィスの偉い人に電話して, バナナの仕入れを請願しました。
❓ ❓ 🍌
薬局でバナナは。。。さすがに扱っていませんので、偉い人から翌朝までの調達は不可能と言われてしまいました。
なんだかんだで1時間ほど奮闘した後、
フロリダの薬局の店長さん
”There is a Walmart 3 miles from here."
それを早くいってくださいよ。。。
”3マイルほど先のウォールマートで買えるそうですが、徒歩では遠いですよ。”
”自分はソルジャーなので体力にはじしんがあります!”
なんとも頼もしいことでしょう。
かくして、自衛隊朝ごはん係隊員さんはは3マイル歩いてバナナを買いに行ったそうです。
お疲れ様です。そしてハイチの地震の救助活動ありがとうございました。
アメリカというのは本当に色々な国や言葉の違う方々から成り立っていて、私の同僚だけでも20か国語ほどの言語が話せるような、グローバルな社会です。WALGREENSでは2007年ころから薬剤師の言語登録によって、アメリカ全土からいろいろな言葉で薬剤師による通訳が電話で行われています。
最近では法律で医療専門の通訳をつけることが義務図けられているので、病院の予約時、リクエストをすれば無料で通訳を呼んでいただけます。保険会所でも日本語を話せる方につないでもらえます。英語ができても専門外なことって、なかなかりかいしにくいですよね。日本語でも医療専門の言葉は難しいものです。英語も日本語もできてもバナナのオーダーができなかった薬剤師のアドバイスです。是非、医療通訳制度ご利用ください。