503B 薬局の現状 ~Outsourcing Sterile Compounding~ Part 1

アメリカFDAは2013年に ”503B” ”アウトソーシング 無菌調剤をする薬局”の登録制度をはじめました。

無菌調剤に対して様々な規制が増える中、この規制のために費やす費用、トレーニング、設備そして設備を備える病院内でのスペースなどを検討すると、アウトソーシングという答えにたどり着いた病院が数多く、需要が高まっている業界です。

 

まずは503Bというカテゴリーができた背景を見ていきましょう。

 

Sterile Compounding (無菌調剤)は法律上、503Aと503Bに2種類に分けられます。503Aは特定の患者に対して医師がだした処方箋による調剤で、一般的に薬剤師が行う仕事です。 一般的な点滴などはこのカテゴリーそのほとんどが病院内で行われますが、病院外でも無菌調剤室のある薬局もあります。

 

503Bとはアウトソーシングという言葉通り、病院や日帰りの手術センターなどに、特定の患者のためではなく、処方箋が近未来に来るという想定で薬を卸す薬局です。この503B事業は限りなく製薬業者に近く、調剤(配合に近い)に薬剤師指導は必要なもの薬局としての登録は不必要で、cGMPの規制の厳守も求められます。

 

503B 登録ができた背景

 

アメリカの薬剤歴史ではCOMPOUNDINGという作業は薬剤師のidentityともいえるべきな業務で、現代医学ではあまり必要でまなくなった現代でも、薬剤師のCOMPOUNDINGは法律でも守られてきました。

 

COMPOUNDINGは ”新薬” としての登録と規制が必要ではないか、というう意見がある中、1997年には ”503A” がFDAの法律に付け加えられ(503A,FD&C Act by the Food and Drug Administration Modernization Act)近年のCOMPOUNDINGに対する法律が定められました。 

 

~2012年 NECC 髄膜炎事件 (New England Compounding Center)~ 

薬剤師なら誰でも知っているこの大事件こそがが、503Bができた理由です。NECCという薬局では州をまたぐ、大規模場なCOMPOUNDING事業を展開していました。硬膜外ステロイド注射(Methylprednisolone epidural injection) に fungusが混入し、800人の患者が髄膜炎とその合併症の被害にあい、70人以上が死亡する大惨事となりました。

 

この当時は、FDAのCOMPOUNDING薬局へのオバーサイト力が明確にされていませんでした。そのため、NECCのような大規模なCOMPOUNDING薬局にも監査・規制は制限されていました。

 

このNECC事件をふまえてFDAは新たにアウトソーシングする調剤薬局(薬局でなくてもよい)を503Bとして登録させ、規制を始めました。